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2023.07.20

MHPコラム(介護シリーズ)

【2023年最新】介護にかかる費用はどれくらい?データを用いて解説

株式会社メディリードでは、当社が保有している国内最大規模の疾患に関するデータベースであるMedilead Healthcare Panel(以下MHP)のデータを活用し、ニュース等で取り上げられている事象をコラム記事としてお届けいたします。今回のテーマは「介護」です。

平均寿命が延びている影響もあり、介護を必要とする人の人数は、年々増加しています。厚生労働省が作成している介護保険事業状況報告の概要(令和5年3月暫定版)によると、要介護(要支援)と認定された方の数は、694.4万人に達しています。
いざ、自分や、身近な方に介護が必要となったとき、どのくらいの費用がかかるのかご存知でしょうか。この記事では、当社の調査で聴取した、実際に介護にかかった自己負担額についてまとめています。知っておくことで、いざというときに備えることができますので、参考にしていただければ幸いです。

介護にかかる費用の平均は?

当社で行っているMHPの最新の調査によると、介護にかかる1か月の自己負担額の平均は、47,750円でした。公益社団法人 生命保険文化センターの調査(※1)では、介護を行った期間(現在介護を行っている人は、介護を始めてからの経過期間)は平均61.1カ月(5年1カ月)となっています。先ほどの1か月にかかる平均金額をその期間分払い続けた場合、合計してかかる費用の平均は、2,917,525円となります。
ただし、家の改装や介護用ベッドの購入などの一時費用や、施設に入居する際の初期費用などは、上記1か月の金額には入っておりませんので、実際にはさらに費用がかかってくるとみたほうがいいでしょう。
在宅介護をする際にかかる一時的な費用の平均は約69万円という調査結果(※2)もあります。

(※1)https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1116.html

(※2)https://www.resonabank.co.jp/kojin/column/shoukei/column_0004.html

介護施設などを利用した場合の1か月の費用

何らかの施設を利用している場合の1か月の自己負担額の合計の割合は、以下の通りです。

3万円~5万円未満の方が1番多く25.5%、続いて10万円~20万円未満が21.9%、5万円~10万円未満が19.3%という結果となりました。

1か月の介護費用の内訳

介護費用の内訳はどうなっているのでしょうか。全体でみると、以下のグラフの通りとなりました。

介護費用のうち、入院、施設、サービス付き高齢者向け住宅などの施設関連の費用が約6割を占めていることがわかります。

【要介護度別】1か月の平均費用

介護にかかる費用は、当然ながら要介護度によっても変わってきます。要介護度が軽いほど自分でできることが多く、介護サービスの利用が少なく済むため、かかる費用は少なくなる傾向にあります。
部分的に介助は必要とするものの、基本的に自分で生活ができる方は要支援、生活全般で介護(介助)が必要な場合は要介護の認定となります。認知機能の低下がみられる場合は基本的には要介護認定となります。さらに要支援は1~2の2段階、要介護は1~5の5段階に分けられています。要介護5は、排せつや食事など日常生活全般が自分で行えず、すべて介助が必要な状態です。それでは、それぞれの介護費用を見ていきましょう。

自立(認定なし)の場合

要支援1の場合

要支援2の場合

要介護1の場合

要介護2の場合

要介護3の場合

要介護4の場合

要介護5の場合

要介護1までは、5万円未満までがほとんどを占めています。要介護2、3では、10万円以上かかる方も約3割いらっしゃいました。要介護4,5では、10万円~20万円未満の割合が最も多く、それぞれ22.3%、25.3%でした。要介護度が上がっていくにつれ、費用も高くなることがわかります。

介護にかける金銭的な余裕がないと思っている方は約7割

現在介護をされている方に、「今の暮らしを考えれば、介護にかける金銭的な余裕はないと思うか」を聞いたところ、「たまに思う(21.8%)」「ときどき思う(19.3%)」「よく思う(12.2%)」「いつも思う(14.4)」と回答した方は、合わせて67.7%となり、約7割の方が金銭的な余裕がないと思っていることがわかりました。

また、この結果は、介護を中心となって行っている方と、介護を手伝っている方とでは、少し結果が異なります。

先ほどの質問について、「思わない」と回答した方は、中心となって介護している人がいる方では26.8%でしたが、介護を手伝っている方では37.0%と、4割近くを占めていました。
「たまに思う」「ときどき思う」「よく思う」「いつも思う」を合わせると、中心となって介護をしている人がいる方では73.2%に上ります。一方で、介護を手伝っている方は63%にとどまっています。
これは、中心となって介護している方の心理的負担の影響や、介護のために仕事を休職、もしくは退職したなど、様々な要因がありそうです。

まとめ

当社のMHPの調査をもとに、介護にかかる費用の平均をまとめてみました。今回の調査では、1か月の費用の平均は47,750円となりました。内訳としては、入院、施設の入居費用などが約6割を占めており、在宅で介護する場合は費用が少なく済む傾向があります。また、介護にかかる費用は、要介護度によっても異なり、要介護度が上がるにつれ、費用も高くなることがわかりました。
さらに、約7割の方が介護にかける金銭的な余裕がないと感じていることも、今回の調査で明らかになりました。特に、中心となって介護している人がいる方については、その傾向が顕著にみられるようです。
介護については、社会全体としても取り組んでいかなければならない問題ですので、我々も引き続き調査をしてまいります。個々人としても、介護に対する適切な知識を持ち、いざというときのために適切な備えをしておくことが大切だと考えます。

■ Medilead Healthcare Panel(MHP)について

 

MHPは、国内最大規模の疾患に関するアンケートデータであり、(1)一般生活者の疾患情報に関する大規模調査、(2)何らかの症状・疾患で入通院中の方の主疾患に関する深掘り調査(追跡調査)から構成されています。回答者への追跡調査は、より深いインサイトの獲得を可能にします。また、電子カルテ情報やレセプトデータなどの大規模データベースには含まれないデータも多く、ヘルスリテラシー向上の意義など、社会的に重要な意味を持つ分析も可能です。2019年より、100を超える症状・疾患を調査に追加し、より幅広い領域でご活用いただけるようになりました。また、同年調査より研究倫理審査委員会(IRB)の審査も通し、疫学的研究の資料としても利用していただきやすくなっております。

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