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【キャンサーペアレンツ・メディリード共同自主調査】がん患者さんがおこなっているアピアランス(見た目)への対処と、求めるサポートとは

2024/02/28
メディリード / マーケティング&コミュニケーション部

株式会社クロス・マーケティンググループ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長兼CEO:五十嵐 幹、東証一部3675)のグループ会社である株式会社メディリード(本社:東京都新宿区 代表取締役 亀井 晋、以下「メディリード」)と、こどもを持つがん患者のコミュニティサービスを運営する一般社団法人キャンサーペアレンツ(創設者:西口 洋平、以下「キャンサーペアレンツ」)は、がん患者におけるアピアランス(見た目)に関する共同自主調査(2023年)を行いました。

メディリードとキャンサーペアレンツは「がんになっても生きていきやすい社会の実現」に向けて、働き盛り世代、子育て世代のがん患者の方々の声を集めて、世の中へ発信していきたいと考えています。
以前行ったメディリードメンバーとキャンサーペアレンツ会員の座談会において、今後、世の中に発信していきたい「がん患者に関する様々なテーマ」について話をする機会がありました。ここで出た、いくつかのテーマについて、本調査を第一弾として、今後も共同自主調査を通して発信していくことで、がん患者さんが本当に抱えている思いや課題を知っていただければと思っています。
今回は、キャンサーペアレンツ会員を対象に「がん患者のアピアランス(見た目)に関する調査(2023年)」を実施しました。本記事は、その調査レポートの後編です。

前回の記事はこちらからご覧ください。
【キャンサーペアレンツ・メディリード共同自主調査】がん患者さんのアピアランス変化の実態

すべての調査結果はレポートにてご確認いただけます。

がん治療は、患者さんの身体だけでなく、そのアピアランス(見た目)にも深刻な影響を及ぼします。前回の記事では、がん患者さんが経験するアピアランスの変化と、それが日常生活にもたらす影響に焦点を当てました。今回の記事では、がん患者さんが直面する見た目の変化にどのように対処しているのか、そして具体的にどのような支援を求めているのかについての調査結果とともに、回答者の皆さまの思いやメッセージをご紹介いたします。

※調査結果は、端数処理のため構成比が100%にならない場合があります。また数値についてはそれぞれの回答数を元に算出をしており、小数点以下第2位を四捨五入した数値を記載しております。

【回答者属性】

今回の調査では、キャンサーペアレンツ会員である男女117人の回答を得ました。

〈図1〉


見た目の変化に対しておこなった対処

〈図2〉


見た目の変化を経験したと回答した方に、見た目の変化に対してどのような対処をおこなったかを聞いたところ、「インターネットやSNSの情報を利用した/相談した」割合が最も高く、47.9%という結果になりました。続いて、相談した先として、「がん治療病院の医師以外のスタッフ」「がん治療の主治医」「家族」「患者会やピアサポートの仲間」「友人や知人」の順に多いという結果となり、多くの方が誰かしらに相談していることがうかがえました。
一方で、「特に何もしていない」と回答した方も11.1%、「人には相談せず、自分で対処方法を考えて解決した」という方も16.2%と、一定の割合でいらっしゃいました。

〈図3〉


見た目の変化への対処をおこなったと回答した方に、「最も役に立った」と感じているものを選んでいただき、その割合を示したものが<図3>です。最も多かった対処である「インターネットやSNSの情報を利用した/相談した」を実施された方のうち、「最も役に立った」と感じている人の割合は64.3%で最も高いという結果になりました。インターネットやSNS上には多種多様な情報があり、その分求めている情報に辿り着きやすいからとも考えられます。また、「患者会やピアサポートの仲間に相談した」でも比較的高く、同じような経験をした人からの情報やアドバイスが最も役に立ったと感じている人もいらっしゃることがうかがえます。
一方で、おこなった対処として2番目に多かった「がん治療病院の医師以外のスタッフに相談した」では30.2%、3番目に多かった「がん治療の主治医に相談した」では19.4%にとどまっており、医療スタッフや医師からは求めている情報を十分に得られていない現状を反映していると言えそうです。

がん患者さんが求めるサポート

がん患者さんがアピアランス(見た目)の変化に対して求めるサポートについてもお聞きしました。

医療機関に求めるサポート

〈図4〉


すべての選択肢において50%前後の割合を示しており、治療などで接する機会も多く、専門家である医師や医療スタッフからのサポートを望んでいる人が多いことがうかがえます。その中でも「医療スタッフからのウイッグ、メイクに関する知識、講座などの具体的な対処方法」が最も高く、今の状態を改善する具体的な対処やサポートを求めている人が多いことがわかりました。「見た目の変化が最小限で済む治療選択肢の提示(47.0%)」「医師からの見た目の変化に関する事前の説明(42.7%)」など、治療段階での選択肢の提示や十分な情報提供を求めていることも示されました。

行政・支援団体に求めるサポート

〈図5〉


行政・支援団体に求めるサポートでは、「金銭的支援に関する情報、サービス」が最も高く60.7%という結果となりました。医療用ウイッグの助成金を受けられる自治体も増えていますが、すべての自治体で実施しているわけではなく、自治体ごとに条件なども異なるため、まだまだサポートが十分とは言えない状況です。また、「いつでも相談できる窓口(53.8%)」など、精神面でのサポートも求められています。

職場に求めるサポート

〈図6〉


就業中、休職中の方に職場に求めるサポートをお聞きしたところ、「勤務継続できる支援体制」が最も高く74.7%という結果となりました。「疾患および見た目の変化に対する理解、受容」も48.5%の方が望むと回答しており、「勤務継続できる支援体制」の実現に向けて取り組んでいくためにも、アピアランスに対する理解・受容への働きかけは重要となってきます。また、自由回答で挙げられた「職場で帽子を被ることを許可してほしい」という声は、見た目の変化に対する具体的な配慮を求める患者さんのニーズを反映しています。

家族に求めるサポート

〈図7〉


家族に求めるサポートでは、「日常生活動作の支援(65.8%)」「家族行事、ライフプランの変更に関する理解、協力(63.2%)」に続いて、「相談相手、話し相手になって欲しい(62.4%)」「見た目の変化に対する理解、受容(59.0%)」も高い割合を示しています。

「見た目の変化」について感じていること・伝えたいこと(自由回答抜粋)

最後に、自由回答欄にいただいた、様々な思いやメッセージを一部抜粋してご紹介します。
すべての声はレポートでご覧いただけます。

見た目の変化の受容について

“全く元通りではないですが、日常生活を取り戻すことはできるようになります。”
“抗がん剤治療中は見た目の変化でつらいこともありましたが、今はほとんど罹患前の自分に戻っています。”
“見た目が変化することはつらかった。でも、そればかりとらわれていろいろ調べたり、同じ病気の人に惑わされたりしている方がもっとつらかったことに気づいたので、今はこれも自分の個性と思っている。”
“AYA世代の罹患だったため、見た目の変化に誰よりもショックを受けていました。ただ周りの人たちが以前と変わらない態度で接してくれた方が多かったことに心を救われました。”
“見た目の変化は本人が1番感じている事なので、必要以上に触れないでほしい。”

つらかったご経験、思い

“見た目の変化は医師へ相談をするようなことではなく、自分で解決しなければと思っていた。情報もほとんど無かったので、ひたすら耐えていた。”
“見た目が変わることがこんなにつらいことだとは予想はしていませんでした。治療前から情報収集ができるといい。”
“見た目に劣等感を感じていると、外出も億劫になり、精神的に滅入ってしまう。見た目に少しでも自信が持てるよう自分でいろんなグッズを探してはいるが、やはり経験者の方の声が一番安心感がある。”
“アンケートへの回答を通じて、自身の状況やこころに気が付いた。自分は大丈夫と思っていたが、回答をしている今、涙が出てきた。子どもがおり少しでも長く元気でいたいと思う中で、治療のおかげで生命が伸ばせる、見た目くらい、と思っていたが、自分で思っていたより堪えているのかもしれません。”
“人によることは承知だが、化学療法終了後の髪の生え具合を1ヶ月ごと等の写真を参考に見せて欲しかった。髪の毛は命には関わらないが、死ぬまでは生きねばならないし仕事もしなくてはならない。”

メッセージ

“見た目の変化の受け入れ方は、程度の差こそあれ、本当に千差万別。個人個人が納得できる形でサポートを求め、そのサポートをいつでも受けられるような状況や環境が整っていることが、患者の安心感につながると思います。”
“見た目の変化はわかりやすい分、周囲の理解が得られやすいが、本人は葛藤が強いと思います。社会的に金銭面や精神面のサポートできる仕組み構築と周知したうえで、当事者が望めば使用できることを望みます。”
“つらい治療も頑張れば完治することができるという希望を持てるような経験者(先輩)が周りにいればモチベーションを保つことができたのかなと思いました。経験者の方の具体的なアドバイスも欲しかったです。”
“主治医は多忙なので、医療機関内に相談できる部門があれば良いと思う。初発の段階からメンタルを含めたサポートとして緩和ケアをのぞみたい。”
“治療で見た目が変わっても、そういうこともあるよね、という受け入れ方が標準化した世の中に早くなってほしい。”

まとめ

今回の調査を通し、アピアランス(見た目)の変化が、がん患者さんの精神面や日常生活に深刻な影響を及ぼしていることが示されました。
変化に対処し、受け入れている方もいる一方で、多くの方が葛藤や苦悩の中にいることもわかりました。身近な存在である医療者、職場、家族でさえも理解が不十分であるケースもあることが見受けられました。
これらの調査結果とメッセージが、がん患者さんへの包括的なサポート体制の構築と、社会全体での理解と受容の促進に向けた一歩となることを願います。

最後に、デリケートなトピックにも関わらずご協力いただき、貴重なご意見を共有してくださったキャンサーペアレンツ会員の皆様に、心より感謝申し上げます。

調査概要

調査手法:

インターネット調査

調査地域:

全国

調査対象:

キャンサーペアレンツ会員の皆様

調査期間:

2023年9月1日(金)~2023年9月22日(金)

有効回答数:

117

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<例> 「株式会社メディリードと一般社団法人キャンサーペアレンツが共同で実施した調査によると・・・」


自主調査レポート
この記事の監修者
メディリード / マーケティング&コミュニケーション部
メディリードは、「私たちの幸せな生活とヘルスケアの未来のため」という事業理念のもと、医療領域の調査を通じて患者さんのアウトカム改善を目指しています。ヘルスケアの解像度を高めることで、多くの方々の幸せな未来の生活に貢献したいと考えています。革新的な医療ソリューションを提供し、患者さんのQOL(生活の質)向上を実現していくことを目指しています。

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