自主調査レポート
難病指定の潰瘍性大腸炎・クローン病の患者さんの治療とコミュニケーションの現状~患者視点からのリアルな実態~ -治療をやめたくなったことのある患者は3分の1を超える-
株式会社クロス・マーケティンググループ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長兼CEO:五十嵐 幹、東証プライム3675)のグループ会社である株式会社メディリード(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:亀井 晋、以下「当社」)は、炎症性腸疾患(IBD)患者の治療の満足度及びその背景となる医療従事者とのコミュニケーションなどについての自主調査(2023年)を行い、426名からの回答を得ました。
腸を中心とする消化管粘膜に原因不明の慢性炎症が生じる炎症性腸疾患(IBD:Inflammatory Bowel Disease)には主に「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」があります。日本ではいずれも1970年代に国の特定疾患(現在の指定難病)に指定されました。
近年はIBD患者さんにとっての治療選択肢が増加していますが、医師側には患者さんに薬剤や治療の選択肢などの情報が伝わらず、患者さんが自分の判断で治療から脱落してしまうという悩みがあります。一方で患者さん側にも、医師に自身の辛さを理解してもらえないと悩み、通院が苦痛になっているという状況があります。
そこで当社は、「なぜ、IBD患者さんは治療を中断したくなってしまうのか?」という問いを立て、IBD患者さんの意識および医師、看護師との関係性について調査を実施いたしました。
1. IBD患者の治療中断意向
1-1:IBD患者の36.6% が治療をやめたいと感じたことがある。<図1>
2. 医師とのコミュニケーション満足度
2-1:治療の「中断意向あり者」(治療をやめたいと思ったことのある人及び現在やめたいと思っている人)は「治療以外についてのコミュニケーション」に不満である割合が高い。<図2>
2-2:中断意向あり者の病態や治療についての認知は、「中断意向なし者」(治療をやめたいと思ったことのない人)よりも多く理解している傾向がある。<図3>
2-3:中断意向あり者は、なし者と比べると「主治医の指示を守っていれば、長期的に良い状態(長期の寛解)を保てる」とは思えていない傾向にあることがうかがえる。<図4>
3. 看護師とのコミュニケーション満足度
3-1:全体的に満足度が低く、相談先としての選択肢の順位も低いため、患者視点では役割が限定的であることがうかがえる。<図5-7>
3-2:看護師のコミュニケーションに関して、中断意向あり者・なし者間で低得点割合の大きな差が見られた。中断意向あり者は看護師とのコミュニケーションが十分でない傾向があり、治療以外のことについて相談できると感じている割合が低い。<図8>
この結果から、治療中断意向には、医師や看護師とのコミュニケーションの満足度が関係していることが示されました。加えて、中断意向あり者は病態や治療について理解している傾向があるにもかかわらず治療中断意向が見られるため、知識が豊富であることが必ずしも治療継続のモチベーションに結びつかないことが分かります。
また、看護師が患者とのコミュニケーションを深め、相談相手となるなど役割を広げていくことは、患者が長期的に治療を継続するモチベーションを保つためのキーとなる可能性が高いと考えられます。
詳細はそれぞれの記事をご覧ください。(メディリードによるIBD患者さんに関する自主調査記事は下記からどうぞ)
調査手法: インターネット調査
調査地域: 全国
調査対象: 現在、クローン病、潰瘍性大腸炎いずれかに罹患している人
調査期間: 2023年12月7日(木)~2023年12月14日(木)
有効回答数: 426
※調査結果は、端数処理のため構成比が100%にならない場合があります
1.IBD患者の治療中断意向
1-1:IBD患者の約36.6%が治療をやめたいと感じたことがある。
<図1>
2.医師とのコミュニケーション満足度
2-1:治療の「中断意向あり者」(治療をやめたいと思ったことのある人及び現在やめたいと思っている人)は「治療以外についてのコミュニケーション」に不満である割合が高い。
<図2>
2-2:中断意向あり者の病態や治療についての認知は、「中断意向なし者」(治療をやめたいと思ったことのない人)よりも多く理解している傾向がある。
<図3>
2-3:中断意向あり者は、なし者と比べると「主治医の指示を守っていれば、長期的に良い状態(長期の寛解)を保てる」とは思えていない傾向にあることがうかがえる。<図4>
<図4>
3.看護師とのコミュニケーション満足度
3-1:全体的に満足度が低く、相談先としての選択肢の順位も低いため、患者視点では役割が限定的であることがうかがえる<図5-7>
<図5>看護師とのコミュニケーションの満足度に関して、どの項目も5点以下が約8割と満足度は低い。
<図6>病気や治療について知りたいことがあるとき、看護師を相談先とする割合は外来・入院病棟ともに全体で1割にも満たない。中断意向の有無による差は見られず、年代別に見ると40代が外来の看護師に相談する意向が約11.9%だが、他の年代は1割に満たない結果となった。
<図7>学業や仕事など生活全般について悩みがあるときも、看護師を相談先とする意向は低く、現状では看護師が相談先としての選択肢の順位が低いことがうかがえる。
3-2:看護師のコミュニケーションに関して、中断意向あり者・なし者間で低得点割合の大きな差が見られた。中断意向あり者は看護師とのコミュニケーションが十分でない傾向があり、治療以外のことについて相談できると感じている割合が低い。
<図8>
≪引用・転載時のクレジット表記のお願い≫
本リリースの引用・転載時には、必ずクレジットを明記いただきますようお願い申し上げます。
<例> 「医療関連調査会社のメディリードの調査によると・・・」
【会社概要】
会社名:株式会社メディリード
代表者:代表取締役社長 亀井 晋
所在地:東京都新宿区西新宿3丁目20番2号
設立:2015年4月
主な事業:医療関連領域の調査・データ解析業務
URL:https://www.medi-l.com/
会社名:株式会社クロス・マーケティンググループ
代表者:代表取締役社長兼CEO 五十嵐 幹
所在地:東京都新宿区西新宿3丁目20番2号
設立:2013年6月
主な事業:デジタルマーケティング事業及びデータマーケティング事業、インサイト事業を行う子会社等の
経営管理及びそれに付帯または関連する事業
URL:https://www.cm-group.co.jp/
<本リリースに関するお問い合わせ先>
株式会社メディリード マーケティング&コミュニケーション部
E-mail : info@medi-l.com
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