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難病患者とその家族が直面する課題と支援の可能性 ~最新データから考える未来の介護~

2025/01/06
メディリード / 自主調査チーム

難病患者とそのケアを担う介護者は、日々の生活の中で病状の変化や通院・入院、経済負担、そして精神的な負荷など多くの課題に直面しています。本記事では、弊社が実施した最新の調査データをもとに、難病患者の介護に関する現状を解説します。

調査概要

調査目的: 難病患者を介護している方の実態理解
調査手法: Webアンケート
調査エリア: 全国
対象者条件: 15歳~99歳の男女(Medilead Marketplace(MMP)のデータより抽出)
サンプル数: Care-Field:9,614件(うち難病の介護者:408件)
調査時期: Care-Field:2024年9月6日~10月6日
詳細なレポートはこちら

1. 難病患者とその家族の現状を知る

介護者の年齢層と性別分布

介護を提供している世代は50代が最も多く、男女比はほぼ均等です。働き盛りの年代が中心となり、介護を担っています。働き盛りの年代が介護の中心を担っていることは、仕事のキャリア形成や家計管理と同時に、難病患者のケアを行う現実は、多くの介護者にとって大きな負担になり得ます。

〈図1〉


介護と仕事の両立

約67%の介護者が仕事を続けながら介護を行っているという結果も見逃せません。働きながらの介護は、時間的・精神的な負担が大きく、家庭や職場への影響も考えられます。さらに職場の介護者に対する体制が整っていないケースでは、仕事と介護の板挟みによるストレスが深刻化する可能性もあります。

〈図2〉


2. 家族内の介護役割と支援体制

介護者と被介護者の関係性

難病患者の介護者は、半数以上が親を介護しており、次いで配偶者を介護するケースが多く見られます。

〈図3〉


同居と非同居による介護スタイルの違い

被介護者の58%が同居しており、非同居の場合でも70%が被介護者の自宅で介護を提供しています。

〈図4〉


3. 経済的負担の現実

介護にかかる費用

難病患者の介護に要する費用として、1カ月あたり平均6万円がかかるというデータが得られました。入院費や消耗品、通院費などが主な負担となり、家計への影響が大きいことがうかがえます。

〈図5〉


4. 難病患者の介護で広がる精神的負担

労働損失の実態

介護によって業務効率の低下を感じる介護者が37%にのぼりました。介護者の負担により仕事への影響が出ている可能性が伺えます。

〈図6〉


介護への気持ち

現状への不安や不満よりも、将来への不安が大きいことが伺えます。

〈図7〉


まとめ

本調査の結果から、難病患者の介護を担う家族は、経済的・精神的に大きな負担を抱えていることが明らかになりました。特に、介護者の多くが働きながら介護を行っており、ストレスや業務効率の低下が深刻な課題となっています。

また、介護費用は月平均6万円の負担がかかることが分かりました。介護者の約半数が親を介護しており、今後ますます支援体制の強化が求められます。

弊社は患者会との連携を強化し、リサーチやその結果のリリースを通じて、難病患者さんやその周囲の方の声を社会に発信し、難病患者とその家族の支援体制の充実に貢献してまいります。


自主調査レポート
この記事の監修者
メディリード / 自主調査チーム
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