ホーム > ニュース一覧  > キャンサーペアレンツに参加してからの変化とは | 【キャンサーペアレンツ×メディリード座談会】Vol.1

2023.02.07

キャンサーペアレンツ座談会

キャンサーペアレンツに参加してからの変化とは | 【キャンサーペアレンツ×メディリード座談会】Vol.1

キャンサーペアレンツは、35歳のときにステージ4のがんの告知を受けた故西口洋平氏が2016年につくった団体です。当時、まだ幼いお子さんを持つ親であった西口氏は、同じ悩みや不安を抱える人とコミュニケーションをとり、お互いに支えあう環境をつくりたいという思いから、働き世代、子育て世代のがん患者さん同士がつながるコミュニティを立ち上げました。2020年に西口氏が亡くなられたあとも、「つながりは、生きる力になる」という思いのバトンは受け継がれ、会員数は4000名(2022年12月現在)を超えるコミュニティに成長しています。

...

メディリードは、医療・ヘルスケアに関わる立場として、キャンサーペアレンツの設立当初から協業、支援をさせていただいています。今後、より一層有意義な取り組みをしていくため、キャンサーペアレンツ理事の高橋さん、会員の志賀さん、関さんにお話を伺いました。その時の模様を、3回に分けてお届けいたします。


キャンサーペアレンツ×メディリード座談会

座談会の参加者

竹鼻 淳
たけはな じゅん

株式会社メディリード 取締役
マーケットインテリジェンス部 部長
メディリードの立ち上げ当初から携わる。
山家 汐理
やまや しおり

株式会社メディリード マーケットインテリジェンス部
キャンサーペアレンツの案件を担当することが多く、会員の皆さんに配信する研究や調査に数多く取り組んだ経験をもつ。


高橋 智子
たかはし ともこ

キャンサーペアレンツ理事。キャンサーペアレンツの創設者である西口洋平氏と元同僚であった関係から、キャンサーペアレンツが誕生した2016年4月より運営に携わっている。


志賀 俊彦
しが としひこ

キャンサーペアレンツ会員。茨城県在住。妻、中学3年生の娘、小学4年生の息子の4人家族。2001年に肝臓がんに罹患したロングサバイバー。キャンサーペアレンツの活動の他、茨城で独自に患者会を立ち上げ活動している。


関 直行
せき なおゆき

キャンサーペアレンツ会員。妻、中学1年生の娘、5歳の息子の4人家族。2013年に膵臓がんに罹患し、手術と治療をするも、2017年に再発。現在も治療継続中。キャンサーペアレンツを通じて発信活動にも取り組んでいる。


座談会Vol.1 キャンサーペアレンツに参加してからの変化とは

山家 : メディリードでは事業理念を「すべての患者さんの今日、明日の生活をより良いものにする」から「わたしたちの幸せな生活と、ヘルスケアの未来のため」に変更しました。これは、病気になった方も治った方も病気ではない方もそれぞれの生活を豊かなものにするために私たちの事業が貢献できればという思いからです。

キャンサーペアレンツさまとの協業について、これまでもホームページやプレスリリースなどを通じて発信をしてきましたが、より一層有意義な取り組みにしていきたいという思いから、今回、座談会の機会をいただきました。今後の活動や発信の参考にさせていただく良い機会になると思います。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

まずはじめに、キャンサーペアレンツに参加した経緯や動機を教えていただけますか。

志賀さん : 私は、2016年8月にキャンサーペアレンツの会員となりました。コンビニで雑誌を立ち読みしていたら、たまたま西口さんの記事を拝見したことがきっかけです。その活動に非常に共感し、会員登録をさせていただきました。それ以来、結構いろいろなところで、キャンサーペアレンツの活動のお手伝いというか、イベント等のにぎやかし担当としてお邪魔させていただいています。

関さん : 私もキャンサーペアレンツを知ったのは結構早く、立ち上げ当初の2016年の夏頃でした。駅でスマホを開いたら西口さんの顔が飛び込んできたんです。どんな人なんだろうと思ったら、同世代でがんになっているという話で。食い入るように見ていって、彼のいろいろなビジョンに共感をもちました。次に彼がスピーチする場所にすぐ出向いてご挨拶をしたときに、高橋さんとも知り合い、そこからのお付き合いになります。僕も1患者として、キャンサーペアレンツの発展やPRに携わらせていただいております。

~キャンサーペアレンツに参加してから、人生がガラっと変わった~

山家 : キャンサーペアレンツに参加したきっかけをそれぞれ伺いましたが、参加してからご自身、あるいは周囲の方々にどのような変化がありましたか。

志賀さん : キャンサーペアレンツに参加してからは、ガラっと世界が変わりました。今までは、周囲で同じような病気を同じ世代でしている人は皆無に近かったのですが、こちらのコミュニティに参加したことで一気につながりが広がり、それまでの人生とそのあとの人生ではまったく違うものになりました。私自身、病気をしたのが20年前で今以上に情報をとれないときだったので、自分でなんとかやっていくしかありませんでした。こういったコミュニティができたことで、いろいろな情報もとれましたし、いろいろなつながりができましたし、助言もいただいたり、逆に助言をしたりという感じで、非常に人生に幅ができたなと感じています。

関さん : 僕も、もともと罹患したのが36歳の時だったのですが、同世代でがんになった人は周囲にいなかったので、自分から友達や会社の人に言うことはあっても、同じような患者の方がどのような生活をしているのか全く知ることもありませんでした。いわゆる患者会は自分より上の世代の方ばかりなイメージがあって、あまり興味が湧かなかったんです。

そのまま経過観察をしている中で、自分もある程度病気のことを忘れつつある時期にキャンサーペアレンツのことを知ったのですが、結構同世代の人がいるんだなということと、自分ががんになった経験が他の人の役に立つのかなということに気づいたんですね。

僕の経験が誰かが一歩踏み出すきっかけになり、逆に僕もそういう方たちを見て新しく一歩踏み出すことができる。そんな効果がありました。

先ほど志賀さんも人生がガラっと変わったとおっしゃっていましたが、僕も病気に対する考え方や伝え方がかなり変わりました。また、活動を一緒にしていく中で情報を発信していく機会が結構増えたのですが、僕が病気になったことを知らない人が記事を見てくれてお声をかけていただいたり、記事が出ることで僕の生存確認をしてもらえたりすることもあって、いろいろな意味でプラスになっています。

(写真:座談会の様子)

竹鼻 : お二人とも人生がガラっと変わったとおっしゃっていたのですが、最初にキャンサーペアレンツに登録したときに期待していたことと、実際に登録されてから、思ってもみなかったとか、想定していなかった良いことってどんなことでしょうか。

志賀さん : 私の場合は、特に期待をして登録したということはないんですよね。こう言ったらおかしいのですが、せっかく病気になったので、それを何かに活かしたいというのは自分の中でずっと思っていたんです。そんなときに西口さんのことを知り、今まさに闘病中で、さらに仕事もしながらこういったコミュニティを立ち上げているというバイタリティに驚きました。私も関さんと同じく直接西口さんに会いに行き、いろいろ話をお聞きしました。その後、自分も何かできることがないか模索する中で、茨城で独自で患者会を立ち上げて活動しています。

関さん : 僕も特に何か期待をしてとか、何かを求めてというよりは、面白そうだなということと、匿名性が高くお金もかからないというSNS特有の気軽さで登録してみました。登録してから様々な方と知り合ったり触れ合ったりする中で、居心地の良さを感じながら、気が付いたら4年、5年と経っている感じです。

竹鼻 : がん患者さんを対象にした調査をする際に、「患者会に入っているかどうか」「患者会に入ってどういう経験をされたか」という質問をすることがあるのですが、患者会の位置付けや活動内容はキャンサーペアレンツとは異なる印象です。患者会とキャンサーペアレンツの違いはどのようなところでしょうか。

志賀さん : キャンサーペアレンツの場合は特にSNSということもあって、本当に出入り自由です。自分が辛くなったら退場してもいいし、数か月ブランクをあけて、気持ち的に余裕がでてきて落ち着いたからまた情報をとりたいというときにはまた入ってこれたりします。そのときに、メンバーたちは皆「おー久しぶり!」って感じで温かく迎えてくれるような場所なんです。

竹鼻 : 『キャンサーペアレンツ』という名前の通り、子育てやお子さんについても情報や思いを共有できるというところも大きかったのでしょうか。

関さん : そうですね、どうしても子どもがいると、子どもへの伝え方などの話にもなってきます。最初の頃はそういう話が多かったのですが、ちょうど最近のオフ会では、私もそうなのですが受験生の子どもを抱えている親が多いので、その悩みの話になりました。それはがん患者とか関係なく、どこの親も抱えている悩みという感じで、病気に限らずいろいろな相談や悩みを共有できる場所だなと思っています。


(Vol.2 みんなががんについて「知る」ことの大切さ に続きます。)


キャンサーペアレンツ会員のお二人が、キャンサーペアレンツに参加したきっかけとして、「自分の経験を活かしたい」「自分の経験が他の方の役に立つのではないかと思った」とお話しされていたことが印象的でした。西口さんの思いが確実に会員の皆さんに受け継がれていることを感じました。

次回は、がん患者さんの就労の話から、職場への伝え方、そして、どうしたらがん患者さんがより生きやすい社会をつくっていけるかについてお届けいたします。



【団体概要】
法人名:一般社団法人キャンサーペアレンツ
創設者:西口 洋平
設立:2016年9月
主な事業:こどもをもつがん患者コミュニティ「キャンサーペアレンツ」の企画・運営
URL:https://cancer-parents.org/

【会社概要】
会社名:株式会社メディリード
代表者:代表取締役社長 亀井 晋
所在地:東京都新宿区西新宿3丁目20番2号
設立:2015年4月
主な事業:医療関連領域の調査業務
URL:http://www.medi-l.com/
<本件に関する報道関係からのお問い合わせ先>
株式会社メディリード 広報担当
TEL:03-6859-1192  FAX:03-6859-2275  E-mail:mr@medi-l.com

ご相談やご依頼、および資料請求についてはこちらからお問い合わせください。

お問い合わせ
LOGO

〒163-1424 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー24F

TEL : 03-6859-2295 FAX : 03-6745-1168