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キャンサーペアレンツがあり続けるためにできること | 【キャンサーペアレンツ×メディリード座談会】Vol.3

2023/03/07
メディリード / マーケティング&コミュニケーション部
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3回に分けてお送りしている、キャンサーペアレンツ×メディリード座談会。今回は、今後キャンサーペアレンツが力を入れていきたい活動について、そして、そのためにメディリードができることは何かを探っていきました。

キャンサーペアレンツ×メディリード座談会

座談会の参加者

竹鼻 淳
たけはな じゅん

株式会社メディリード 取締役
マーケットインテリジェンス部 部長
メディリードの立ち上げ当初から携わる。
山家 汐理
やまや しおり

株式会社メディリード マーケットインテリジェンス部
キャンサーペアレンツの案件を担当することが多く、会員の皆さんに配信する研究や調査に数多く取り組んだ経験をもつ。


高橋 智子
たかはし ともこ

キャンサーペアレンツ理事。キャンサーペアレンツの創設者である西口洋平氏と元同僚であった関係から、キャンサーペアレンツが誕生した2016年4月より運営に携わっている。


志賀 俊彦
しが としひこ

キャンサーペアレンツ会員。茨城県在住。妻、中学3年生の娘、小学4年生の息子の4人家族。2001年に肝臓がんに罹患したロングサバイバー。キャンサーペアレンツの活動の他、茨城で独自に患者会を立ち上げ活動している。


関 直行
せき なおゆき

キャンサーペアレンツ会員。妻、中学1年生の娘、5歳の息子の4人家族。2013年に膵臓がんに罹患し、手術と治療をするも、2017年に再発。現在も治療継続中。キャンサーペアレンツを通じて発信活動にも取り組んでいる。


座談会Vol.3 キャンサーペアレンツがあり続けるためにできること

~「キャンサーペアレンツがあり続けるだけでいい」~

山家 : キャンサーペアレンツは、会員数が4000名を超えてきたということで、どんどん大きくなっているコミュニティです。そして、先ほどもありましたように、今は2人に1人ががんに罹患するとも言われる時代です。そんな中、キャンサーペアレンツは、会員さま同士が作り上げていくコミュニティというところで、今後どのような活動に力を入れていきたいと思っていますか。

関さん : 僕は、一言でいうと、キャンサーペアレンツというプラットフォームがあり続けるだけでいいのではないかと思っています。キャンサーペアレンツのいいところは、会員の方が自ら手を挙げていろいろなイベントや集まりを作ってくれるところだと思います。そこに属したからといってずっとそこに属しているわけではなく、違った会があれば違った会に参加して、そういったことでどんどん広がっています。だからあり続けていくことと、それを皆で使っていくことが一番いいのかなと思っています。

(写真:プラットフォームで「ありがとう!」、「応援します!」といった機能も)

高橋さん : 会員数が何名になったとしても、常に同じ方がサイトを使い続けているのではなく、今このときキャンサーペアレンツという場所を必要とされている方は日々変化していきます。
今はちょっとサイトから離れたいと思ってもまた戻ってくることができるのは、そこが安心・安全な場所で、大きな変化があるわけではなく、いつも同じ温度感で使うことができるというのも理由の1つではないでしょうか。

つながりや情報を求めてサイトを訪れられることはもちろん、がんの状態が落ち着いて、がんのことが日常にあるのを避けたいから離れるという選択をする方もいらっしゃいますし、今度は自分の経験が次の誰かのヒントになるかもしれないという気持ちで活用される方もいらっしゃいます。それは体調、心情によって本当にそれぞれなので、会員さんとキャンサーペアレンツが常にいい距離感であるためには、キャンサーペアレンツが変わるのではなく、いつも同じ場所、我が家みたいなかたちで、まずはあり続けたいと思っています。

~「届け切れていないところにも届けていきたい」~

志賀さん : 会員が4000人くらいいて、すごくたくさんいるととられがちなのですが、年間、子どもがいてがんに罹患する方は約56000人もいるんですよね。そこから4000人といったら7パーセントくらいなので、まだまだ潜在的に、こういった病気にかかって苦しんでいる方は多いと思うんです。具体的なアイデアがあるわけではないのですが、もっと多くの人に届けられるのではないかと思っています。

高橋さん : 会員のご登録は年末年始関係なくあります。世の中の動きや時間帯を問わず、病気と向き合う中感じる不安や孤独などの様々な思い。そうした思いがほんの少しでも和らいだり、ほっとできる瞬間をつくっていただくために、まだまだ届け切れていない方々にも届けていきたいです。また、全国各地に会員さんがいらっしゃるので、各地域とのつながりが生まれ広がることで、がんに対する意識も深まり、がんと向き合いながらも生きやすい社会に向けたきっかけへとつながっていけたらと思っています。

一番は、会員になってくださった方が、安心、安全に使うことができること、そしてあり続けること。それをベースに、少しずついろいろなことができたらなと思っています。

(写真:2022年今年を想う会の様子)

~キャンサーペアレンツがあり続けるために、メディリードができること~

山家 : 今皆さまがお話しされていた、今のキャンサーペアレンツが活動し続ける、今のままあり続けることがすごく大事なところだと思っております。そのためにメディリードができることはどんなことがありますでしょうか。こういう発信や活動をしてほしいというリクエストなどありましたら教えてください。

関さん : 今日いろいろテーマに挙がった、たとえば就労の調査や結果があったら、企業さま向けに個別に発信するような取り組みができればいいなと思います。個人的に、医療行為に関するアンケートや調査よりも、日常生活に近い調査やアンケートのほうが嬉しい気がするんです。そちらに重点を置いてみたら良い取り組みになるかもしれません。

竹鼻 : たとえばより日常生活に近いところっていうとどんなことがありますでしょうか。

関さん : 仕事のことやお金のこと、公的制度のこと、そして子育てのこと。やはりそういったところでしょうか。今日は男性2人で参加していますけど、女性の方の意見が圧倒的に大きいと思います。特に我々キャンサーペアレンツは子育てをする世代なので、子育てに関連する調査やアンケートなど、いろいろなテーマがあると、回答率も上がるかもしれません。

高橋さん : 会員の方の日記でよく見かけるのが、食のこと、そしてアピアランス系のテーマです。ウイッグや爪、肌のこと、そして抗がん剤の副作用によるケア的な部分。このあたりの悩みは、言えないだけで男女問わず抱えている方は本当に多いと思います。
一度このあたりのテーマも絞って調査いただいて、サポートしていただけるような場所につながり、少しでも悩みが緩和できればと感じているところです。

竹鼻 : 病院では先生と話す時間が3分~5分しかなく、検査の結果など治療に関係するお話もあるので、副作用に関しては聞くのを我慢してしまうとか、勇気を出して相談しても軽くあしらわれてしまうというお話もよくお聞きします。
誰に相談すればいいかわからないという思いを抱えている患者さんもきっと多いのだろうなと思っています。

志賀さん : 私はちょっと目線を変えた話をしますが、会員さんの中には、小さい子どもをもつお母さん、いわゆるAYA世代の方もいらっしゃいます。会員同士で話をしていても、受験生のいる家庭と赤ちゃんのいる家庭ではまったく生活スタイルも違うので、悩みも違うと思うんです。そういう世代の声を拾っていただければなっていう思いもありますし、今、国も妊孕(にんよう)性にも力を入れていると思いますが、たとえば性の話ってなかなか日記にも投稿しづらいし、ほぼ目にしたことはないのですが、そういう誰にも話せない、相談できない悩みって結構あるのではないかと思います。そういうところを調査、発信していただいてもいいのかなと思います。

山家 : ありがとうございます。
私は以前に、キャンサーペアレンツの会員さまとの共同の調査をやらせていただいた際、会員さまから、調査を見て自分と同じような境遇の人がいることがわかったことが大きかったという感想をいただいたことがありました。どんなふうにメディリードが関わっていけるかというお話がありましたが、キャンサーペアレンツの会員さまの中でも、まだキャンサーペアレンツを知らない方に対しても、同じような境遇の方がいるということを少しでも発信できるように取り組んでいけたらいいなとあらためて思いました。皆さまどうもありがとうございました。

竹鼻 : 本日は、今後さらに我々が情報発信に力を入れていかなければいけないところのヒントもたくさんいただきましたので、これを結果につながるように、微力ながらも取り組んでいきたいなと思います。皆さまにはまだまだこれからもお世話になると思いますが、引き続きよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。


<< キャンサーペアレンツとメディリードの取り組みについてはこちらもご覧ください。 >>


最後までお読みいただき、ありがとうございました。キャンサーペアレンツという場所が、会員の皆さんのいろいろな思いをいつでも受け止めてくれる、安心、安全な場所であり続けているのは、今回ご参加いただいた皆さんをはじめ、西口さんの思いを大切に受け継いでくれている方々がいるからだと実感いたしました。
そのキャンサーペアレンツがあり続けるため、そしてさらに必要としている方に届けられるように、私たちメディリードも引き続きお手伝いをしていけたらと考えております。今回、ご協力いただきましたキャンサーペアレンツの高橋さん、志賀さん、関さん、本当にありがとうございました。



【団体概要】
法人名:一般社団法人キャンサーペアレンツ
創設者:西口 洋平
設立:2016年9月
主な事業:こどもをもつがん患者コミュニティ「キャンサーペアレンツ」の企画・運営
URL:https://cancer-parents.org/

【会社概要】
会社名:株式会社メディリード
代表者:代表取締役社長 亀井 晋
所在地:東京都新宿区西新宿3丁目20番2号
設立:2015年4月
主な事業:医療関連領域の調査業務
URL:http://www.medi-l.com/
<本件に関する報道関係からのお問い合わせ先>
株式会社メディリード 広報担当
TEL:03-6859-1192  FAX:03-6859-2275  E-mail:mr@medi-l.com


座談会
この記事の監修者
メディリード / マーケティング&コミュニケーション部
メディリードは、「私たちの幸せな生活とヘルスケアの未来のため」という事業理念のもと、医療領域の調査を通じて患者さんのアウトカム改善を目指しています。ヘルスケアの解像度を高めることで、多くの方々の幸せな未来の生活に貢献したいと考えています。革新的な医療ソリューションを提供し、患者さんのQOL(生活の質)向上を実現していくことを目指しています。

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