「子どもを持つがん患者における、心理社会的苦痛と支援ニーズに 関する横断研究」調査結果について
2020/03/18株式会社メディリード(本社:東京都新宿区 代表取締役
亀井 晋)とこどもを持つがん患者のコミュニティサービスを運営する一般社団法人キャンサーペアレンツ(代表理事 西口 洋平 URL:http://cancer-parents.org)は、国立研究開発法人国立がん研究センター東病院(千葉県柏市、病院長:大津敦) 緩和医療科(URL:https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/palliative_care/)と共同で、2019年5月、未成年のお子さんを持つがん患者さんを対象とした、調査研究を実施しました。
共同調査テーマ「子どもを持つがん患者における、心理社会的苦痛と支援ニーズに関する横断研究」
キャンサーペアレンツ会員で18歳未満のお子さまがいる方を対象にwebアンケートを実施し、377人の回答を得ました。
実施期間:2019年4月29日〜5月13日(15日間)
詳細はこちら ⇒ https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/palliative_care/050/20200306.html
子どもへの病気の説明について
●7割の方が、子どもにご自身の病気が「がん」であることを伝えている。
●子どもの年齢が高い、または女の子をもつがん治療中の方は、がんと伝えたことが多い。<図1>
子どもへの病気の説明について
●現在の相談相手は配偶者、親、友人の順に多い。
●6割の方が、さらなる相談相手がほしいと希望している。
●希望する相談相手は、同世代のがん患者、心理士、医療ソーシャルワーカーの順に多い。<図2、3>
子どもへの病気の説明について
●3割の方が経済的に困っている。
●病期がステージ4または再発している、抗がん剤治療中である、就労状況が変化した方は、経済的に困っていることが多い。
●「困っている」と回答した方の7割が貯金を切り崩し、3割が親族から経済的な支援を受けていた。
●公的な経済支援を受けている人は、全体の1割未満。<図4、5>
【研究代表者 国立がん研究センター東病院 緩和医療科 小杉 和博先生のコメント】
考察:
今回の調査では未成年の子どもを持つがん患者さんは約7割の方が子どもにがんと伝えていましたが、残りの3割の方は伝えていませんでした。また、半数以上の方が子どもへの病気の説明の仕方に支援が必要、と回答しました。
約3割が経済的に困っていると回答し、勤務形態が変化したと回答した方の割合が多かったため、就労支援をより拡充していくことが重要と考えました。また、公的な経済支援を受けている方は少なかったため、どのようなサポートがあり、どのようにすれば利用できるのか、などの情報を広く伝えていく必要があると考えました。
今回の調査では、子どもへの説明の支援として「同様の体験を持つ人からの助言」を希望している方の割合が多く、「同世代のがん患者さん」に子どもに関する相談を希望している方の割合も多かったです。
結論:
子どもを持つがん患者さんたちは社会的な支援を必要としており、特に、同じ子育て世代のがん患者さん同士のサポートは、とても大切であると考えられます。
◆調査概要
調査手法:インターネットリサーチ
調査地域:キャンサーペアレンツ会員が在住する47都道府県
調査対象:キャンサーペアレンツ会員30~60代の男女
有効回答数:377サンプル ※回答項目によっては欠損があるため解析時に人数が減少することがあります。
【会社概要】
商号:株式会社メディリード
代表者:代表取締役 亀井 晋
所在地:東京都新宿区西新宿3丁目20番2号
設 立:2015年4月1日
主な事業:医療関連領域の調査業務
URL:http://www.medi-l.com/
【団体概要】
法人名:一般社団法人キャンサーペアレンツ
代表者:代表理事 西口 洋平
設立:2016年9月
主な事業:「キャンサーペアレンツ~こどもをもつがん患者でつながろう~」の運営
URL:http://cancer-parents.org/
<本研究に関するお問い合わせ先>
株式会社メディリード 小西
TEL : 03-6859-2295 FAX : 03-6745-1168 E-mail : mr@medi-l.com
<本リリースに関するお問い合わせ先>
一般社団法人キャンサーペアレンツ 運営事務局:高橋(たかはし)
E-mail: info@cancer-parents.com