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防腐剤フリーは本当に安全なの?手作り化粧品が危険なわけを解説

2023/10/30
吉岡容子先生 / 高梨医院 院長

自然派ブーム、エコブームの広がりで、肌に負担をかけず、安心して使用できる化粧品を使いたい女性が増えています。最近では、SNSを中心に手作り化粧品をおすすめする情報を目にするようになりました。特に敏感肌やアレルギーのある方は、添加物が入っていない手作り化粧品のほうが安心と感じるかもしれません。しかし、知識なしに化粧品を手作りするのは、肌トラブルのリスクを伴うことがあります。今回は、手作り化粧品の危険性について解説します。

手作り化粧品は本当に安全なの?

SNSを中心に、話題になっている手作り化粧品。精製水とグリセリンにお好みの精油をアレンジした化粧水や、オイルと蜜蝋だけで作る保湿クリーム、食塩や砂糖、オリーブオイルにアボガド、ハチミツ、果実の種など、レシピはさまざまです。
手作り化粧品が人気なのは、ケミカルなものは使いたくない、食べられるものであれば肌につけても安全という考えがベースにあるようですが、果たして手作り化粧品は本当に安全なのでしょうか。
結論からいうと、手作り化粧品は安全とはいえません。十分な知識と衛生的な環境が整っていない状態で化粧品を作ることはリスクを伴います。

知識なしでの化粧品の調合は難しい

手作り化粧品は自分に合った成分だけ使えますし、材料を混ぜ合わせるだけで簡単に作れますが、材料が自分の肌に本当に合ったものなのか、十分な知識が必要です。
化粧品の材料には、それぞれ相性があり、適切な配合のバランスがあります。成分の組み合わせが悪ければ、重大なアレルギー症状、湿疹などの肌荒れ、赤みなどの肌トラブルを引き起こすことがあるので、注意しなければなりません。肌に化粧品をのせたとき、成分の一部が紫外線などの外的刺激と反応して、シミの原因になることも否定できません。
また、容器を煮沸消毒するなど、どんなに注意していても、保管状態によっては微生物が混入することがあり、数日で腐ったり変質したりしてしまうことも考えられます。

こんな手作り化粧品は要注意!

手作り化粧品といっても、その内容はバラエティに富みます。なかでも、特に注意したいものが次の3つです。

・要注意その1: キッチンレベルの衛生管理での手作り

化粧品は長期にわたって使用するものなので、衛生面がとても重要になります。市販されている化粧品は厳格に衛生管理がなされている施設で作られ、充填する容器の衛生も徹底しており、製造の過程で何度も微生物検査などのチェックを受けます。
一方、自宅で化粧品を作る場合、容器の一つひとつを煮沸消毒したとしても、容器を開け閉めしたり、成分を混ぜたりする過程で、中身が空気や細菌に触れ、雑菌が繁殖する可能性があります。
キッチンレベルの衛生管理での安全な化粧品作りには限界があるでしょう。

・要注意その2 :防腐剤の入っていない化粧品

「市販の化粧品は防腐剤が入っているから肌に悪い」と思っている方は少なくないのではないでしょうか。防腐剤として使用されているパラベン(パラオキシ安息香酸エステル)は、腐敗や変色を防ぐ効果が高く、市販の化粧品に多く用いられています。
ほとんどの化粧品には水が含まれていますが、水はとても腐りやすい性質をもっています。そのため、防腐剤フリーの場合、化粧品の容器のなかに雑菌が繁殖し、カビが生えたり、腐ったりして安全に使えなくなるのです。
パラベンは防腐剤といっても、毒性は低く、日本における化粧品での使用は、上限1%までと決められています。そのため一般的な化粧品には0.1~0.5%程度しか配合されておらず、極めて危険性は低いといえます。
むしろ、防腐剤が入っていない手作り化粧品の場合、衛生管理に相当の注意を払わないと、すぐに化粧品が傷んでしまい、肌にのせるにはリスクがあります。原料が自然由来のものを多く使った化粧品ほど、防腐剤は必要なのです。
手作り化粧品を作る場合、1回で作る量は少量とし、目安は1週間程度で使い切れる量がよいでしょう。

・要注意その3 : 自宅で発酵させたもの

以前、玄米のとぎ汁を発酵させた化粧水が話題になりました。とぎ汁に砂糖と塩を入れると乳酸菌が増え、それが肌に良い、と考えられたものです。

たしかに、乳酸菌は肌によい影響をもたらすかもしれませんが、注意したいのは、玄米の周りには乳酸菌だけでなく、黄色ブドウ球菌などの雑菌も付着していることです。黄色ブドウ球菌は食中毒や皮膚の感染症を引き起こす細菌。化粧品を作る際は、菌が死なない程度の温度で発酵させるわけですから、乳酸菌と同様に、身体や肌に悪い菌も繁殖してしまい、食中毒などのリスクにつながる可能性があります。

化粧品の手作りは個人で楽しむ程度に

手作り化粧品は、自分が好きなようにカスタマイズでき、材料を混ぜ合わせることで、簡単に作れます。
しかし、正しい知識ときちんとした衛生管理のもと作らないと、かえって肌トラブルを起こしてしまうことがあるのです。そもそも、化粧品は肌を健やかに美しく保つためのものです。手作り化粧品は個人で楽しむ程度のものに留めておくほうが無難でしょう。
手作りの際は衛生面と安全面に十分に配慮し、使用する際は、顔にのせる前に身体の目立たない場所に塗って、異常が出ないかを確認することをおすすめします。


スキンケア医師監修記事
この記事の監修者
吉岡容子先生 / 高梨医院 院長
東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科で院長を務める。平成24年より医療法人容紘会高梨医院皮膚科・美容皮膚科を開設し、現在は院長として勤務している。日本抗加齢医学会会員、点滴療法研究会マスターズクラブ会員、日本美容皮膚科学会会員など。 https://www.takanashi-hp.com/

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