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インフォームド・コンセントの概念から私たちが学ぶこと ~相互の理解を深めるコミュニケーションへの応用~

2023/11/08
北郷 秀樹 / メディリード オンコロジーエキスパートアドバイザー

株式会社メディリードは、当社のオンコロジーエキスパートアドバイザーである北郷秀樹氏から日々アドバイスをいただく中で、医療、特にオンコロジー領域における調査において、意識しなければならない課題感を日々アップデートしています。北郷氏のアドバイスから、当社として特に意識していきたいトピックスや学び等をコラムで発信していきます。

「インフォームド・コンセント」は、医療倫理や法律の分野で頻繁に取り上げられる重要な概念です。この記事では、インフォームド・コンセントについて解説した上で、私たちがどう向き合っていくかを皆さんと学んでいきたいと思います。

インフォームド・コンセントとは

インフォームド・コンセント(Informed Consent)の日本語訳は、「十分な説明と同意」です。“インフォームド”が、「十分な説明、十分な解釈」で、“コンセント”が「同意」という意味を表しています。 もう少しわかりやすくすると「患者さんに対して何か医療⾏為、あるいは治療を提供するときに事前に医療従事者と患者との間で合意を取る」ことを意味します。
 
このインフォームド・コンセントの主流は、“コンセント”の方だと言われています。つまり、同意を得るのは、患者さんの自己決定が主体であるとする考え方です今はどちらかというと患者さんの意思決定が非常に重要視されていることが伺えます。

インフォームド・コンセントのコミュニケーション

インフォームド・コンセントにおいては、お互いに同意や共感をすることによって、患者さんがしっかりと理解した上で自発的な同意をするためのコミュニケーションが大事だと言われています。そのコミュニケーションは、言い換えると“結果ではなく、対話のプロセスが大事”ということが言えます。

 

コミュニケーションのステップ~ASK→TALK→ASK~

少し具体的な“対話のプロセス”の考え方を、複数の医師との対談で教えていただいた内容をもとに紹介します。

最初の「ASK」は、相手の今の気持ちや感情を理解するためのオープンクエスチョンをすることです。「今日の気分はどうですか」というようにオープンクエスチョンで話しやすい雰囲気を作り、相手の気持ちを読み取ることです。これは、友人や家族が緊張しているときや悩んでいるときにどのように会話を切り出すかのヒントになります。
 

次の「TALK」では、2つのことが含まれます。

 

・わかりやすく十分な説明を行う

・患者さんの人生観(価値観)を治療に反映する

 

例えば、患者さんに『これからどんなことをしたいですか』『どんなことを楽しみにしていますか』『今困っていることはどんなことがありますか』など、患者さんの気持ちや感情、価値観を理解するような質問を投げかけることです。
似たような症状で、同じような理解⼒を持つ患者さんであっても、⼈⽣に対する価値観が違えば、治療⽅法もまったく異なるものになります。
感情的な心のケアについては、医師が1人でやるのはなかなか難しいことなので、看護師が患者さんの表情や態度を見ながら説明をしてあげることがチーム医療として必要です。

 

最後の「ASK」が一番大切で、患者さんの理解力を見極めて、理解したかを確認することです。『今までお話しした中で一番記憶に残っていることを話してみてもらえますか』という質問をすることで、患者さんの理解度などを知ることができることがあります。

 

患者さんの理解力に応じて与える情報量を変える

コミュニケーションは丁寧に行うことが大切ですが、「丁寧」というのは「すべての情報を与える」ということではありません。その患者さんの理解力に応じて情報量を変えることです。

 

たとえば、治療計画を患者さんに説明するときには、基本的に3つまでにするという考え方があります。その3つの中に何を入れるかは、医師の価値観や大切にしているポイントがあらわれるところです。また、その患者さんが咀嚼できる情報の量を見極める必要もあります。 どれくらいの理解力を持っていて、どれだけの情報を与えたら治療のストーリーを理解してくれるかを判断し、適切な情報量を出していくことが求められています。

日常の対話や調査への応用

今は簡単な治療でも同意を取るというケースが増えていると思います。大切な家族であるペットの手術に際しても、麻酔に対してインフォームド・コンセントを受けることがあります。そのときは理解したふりをしてそのままサインすることはやめてほしいということを多くの医師が言われています。
日常で、友人や家族から精神的・身体的・社会的な悩みで、あなたの意見やアドバイスを求めている場合がたくさんあると思います。
その時にインフォームド・コンセントの応用として、当事者が自身の考えや言われていることを理解して自発的な同意(決断)ができることが大切ということを、頭に入れて対話をすることを心がけていただければと思います。

 

メディリードの得意分野として、ご要望の多いインサイト調査など、限られた時間の中で対象者の考え(時には言葉に表れない感情や姿勢)を抽出していくために、質問の工夫(オープンクエスチョン、クローズドクエスチョンの組み合わせによる組み立てで、対象者の気持ちを読みとる)に取り組んでいます。また、対象者個々の人生観(価値)を含めたストーリー性のある質問の流れを重視し、患者さんご自身のセンシティブな内容も話しやすい環境作りに力を入れています。

北郷 秀樹(Hideki Hongo)  

Medilead Oncology Expert Advisor

外資系製薬企業でオンコロジー領域のブランドマネジャー、製品開発、新製品のマーケティング、グローバルオンコロジーマーケティングリサーチリーダーを歴任
ビジネススクールでマーケティングと経営学を学び、がんの知識を病院研修で習得

得意分野

Oncology launch strategic marketing / Oncology market research planning/application /design solution thinking

Reference

JSCO日本癌治療学会会員、JASCC日本がんサポーティブケア学会会員

語学

英語、スペイン語 (少々)

私生活

犬大好き、趣味はノルディックスキー


トレンド解説
この記事の監修者
北郷 秀樹 / メディリード オンコロジーエキスパートアドバイザー
外資系製薬企業でオンコロジー領域のブランドマネジャー、製品開発、新製品のマーケティング、グローバルオンコロジーマーケティングリサーチリーダーを歴任 ビジネススクールでマーケティングと経営学を学び、がんの知識を病院研修で習得

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