マーケティングリサーチにおいて私たちが大切にしていること
2023/06/22株式会社メディリードは、当社のオンコロジーエキスパートアドバイザーである北郷秀樹氏から日々アドバイスをいただく中で、医療、特にオンコロジー領域における調査において、意識しなければならない課題感を日々アップデートしています。北郷氏のアドバイスから、当社として特に意識していきたいトピックスや学び等をコラムで発信していきます。
医療領域のマーケティングリサーチにおいては、急速な医療の進歩と変化に常に対応するため、出来る限り最新の疾患や治療法に対する知識、医療制度や業界についての理解と課題を見出すことが必要と考えています。そのため、私たちは日々それらの知識についてアップデートしております。一方で、マーケティングリサーチにおける本質や、大切にすべきことは変わりません。本記事では、私たちがマーケティングリサーチにおいてどんなことを大切にしているかをお伝えいたします。
調査は“ビジネス目的(何を判断あるいは決定したいのか)”と、“それをクリアにするには何を調査すればいいのか”が十分理解されてはじめて、手法や調査内容等、次の段階に進んでいくことができます。これには、実は落とし穴があります。時には十分な時間をかける余裕がなく、互いに“わかってもらったつもり”で発進してしまうケースがあるのです。この時、主に、クライアント側の問題としては“何が知りたいのか(定義)を明確にしないこと”、調査会社側の問題としては“わからないことをわかるまで質問しないこと”があります。これは、相互に思い込みを捨てて何度でもコミュニケーションをとることができれば解決できることです。この時、思い込みは一番の妨げになってしまいます。
ここでの時間を無駄とは捉えず、双方が調査の定義を納得いくまでコミュニケーションをとることを心掛けています。
デザイン思考のプロセスの一つに、まずはアイデアを列記してみて(拡散)、そこから不要なものを省き本当に必要なものを整理していく(収束)というステップがあります。これをマーケティングリサーチに置き換えると、クライアントが知りたいことをまずはどんどん列記し、そこから本当に必要な質問を絞り込み、調査に協力してくれる対象者が自身の言葉で考えや姿勢を応えてくれる流れを大切にした質問に落とし込んでいくということです。
”顧客が考えていることを知りたい”という姿勢が最大の質問力になります。
実査の次は、アウトプットです。クライアントからは、「発言や数値から、事実だけではなく、そこから何が言えるのかを提案してほしい」というご要望をいただくことがあります。クライアント側では、さまざまな分野の人が調査結果に興味を持ちますが、その解釈がそれぞれの立場で異なることがあります。調査会社として大切なことは、言語と非言語から読み取ったことを時には疑いを持って考察することや、気づきをわかりやすい言葉で表現することではないかなと思います。たとえば、一つの発言に対しても、そのまま言葉通り捉えるのではなく、「本当はこういうことを言いたいのではないか」という仮説を立てるのです。そこから、真のインサイトが見えてくる場合があります。
このように、単に調査結果をご提供するだけではなく、クライアントが気づかなかったこと、検討しなければいけないことを気づかせることこそ、最も大切なことだと考えています。
“わからないことを把握する”、“気づきを得る”、“問題思考をもつ”ために、クライアント、そして私たち調査会社の両社が互いにパートナーとして協働することがもっとも望まれることではないでしょうか。結果として、クライアントに満足していただき、医療業界の発展や、一人ひとりの幸せな生活に貢献していくことが、私たちの使命だと考え、日々業務を行っています。
Medilead Oncology Expert Advisor 外資系製薬企業でオンコロジー領域のブランドマネジャー、製品開発、新製品のマーケティング、グローバルオンコロジーマーケティングリサーチリーダーを歴任
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