がんは遺伝子の老化と言える病気ですから、年齢とともにリスクは上昇しますから、晩婚・晩産化が進めば、子育て世代にがん患者が増えることになります。
私の師匠である養老孟司先生はかねてから、日本人は「死なないつもりで生きている」と指摘されています。たしかに、急激に平均寿命は延び、自宅で亡くなる人がほとんどで、『老後はずっと続く』と思っている人が多いように思います。その点、がんの患者さんだけが宇宙の時間から見ればほんのわずかな人生という時間をどう生きるか、真剣に考えているのだと想います。
今回の調査でも、子育て世代のがん患者さんがどんな想いで生きているのかが垣間見えます。彼らこそが、もっとも人生を大切に生きているのではないかと感じました。
東大病院 放射線治療部門長 中川恵一