第3回レポートでは、以下のようなテーマについて分析しています。ここではその一部を、概要としてご紹介します。
もの忘れで受診している診療科や受診のきっかけ
もの忘れで通院経験のある診療科と、医療機関を受診したきっかけについて尋ねたところ、いずれも年代によって傾向がはっきりと分かれる結果となりました。特に50代では、いわゆる「もの忘れ」のイメージとは異なる診療科が受診先として選ばれやすい傾向がみられます。また、年代が上がるにつれて受診の契機となる「主体」が変化していく様子もうかがえ、年代ごとの受診行動の違いが浮かび上がる結果となっています。
医師に相談しようと思った理由と、相談したことで生じた変化
医師や医療関係者に相談しようと思った理由については、全体で共通して高い項目がみられた一方、相談のしやすさや家族への意識など、年代ごとに重視するポイントの違いも表れました。さらに、相談後の気持ちの変化にも年代差がみられ、相談を通じてポジティブな変化が生じやすい年代がある一方、必ずしもそうではない年代も確認されており、その差がなぜ生まれるのかが、本レポートの読みどころの一つです。
家族への相談状況(相談経験・相談相手・家族からの受診勧奨)
家族への相談経験、相談している相手、家族から受診を勧められた経験について、入通院経験の有無別に分析しました。両者の間には相談の実態に明確な違いがみられ、家族への相談のあり方が受診行動と関係している可能性が浮かび上がっています。「誰に」相談しているかの違いにも注目です。
MCI情報提示による家族への相談意向の変化と、その理由
MCIに関する情報を提示したところ、家族への相談意向に変化がみられました。情報提示前には相談に後ろ向きだった層の中にも意向が変化した人がいる一方、変わらない層も存在しており、情報提供の可能性と限界の両面が示される結果となっています。あわせて、「相談したい」「相談したくない」それぞれの理由も尋ねており、相談意向の背景にある家族への期待や、意向が変わりにくい層に共通する認識など、コミュニケーションを考えるうえでのヒントとなる結果が得られています。