今回の調査では、IBDの患者さんのうち、治療中断意向あり者(現在治療をやめたいと感じている人及び過去に治療をやめたくなったことがある人)と中断意向なし者(治療をやめたいと思ったことのない人)の違いを比較することで「なぜ患者さんは治療を中断したくなってしまうのか」という問いについての理解を明らかにすることを目的として調査をしました。
治療中断意向あり者の特徴
今回の調査では、治療中断意向あり者はなし者と比べ、以下の特徴があることがわかりました。
- 症状は重めで、仕事や学業、日常生活などに影響を受け、QOLが下がっている
- 治療以外についても医師とコミュニケーションをしたいと思っているが満たされていないと感じている
- 看護師とのコミュニケーションも不十分であり、特に治療以外についてのサポートに不満を持っている
- 中断意向あり者は病気や薬についての知識、つまり病態そのものや、「薬が効くとは限らない」などについての知識は、中断意向なし者よりもある
当社は「治療や薬剤の情報についての理解が深いほうが、中断意向は低くなる」という仮説を立てていたため、この四番目の点については、仮説とは異なる結果が示されました。
治療継続のモチベーション低下の背景
より知識があるにも関わらず、なぜ、治療継続のモチベーションにはつながらないのでしょうか。この結果が意味することについて読み解くと、背景に以下の点があると考えられます。
- 「主治医の指示を守ることで、長期の寛解を達成できる」と思えていない(同意度が低い)
- 病態そのものや、「薬が効くとは限らない」などの事実そのものを知ってはいるものの、「主治医の指示を守ること」による「長期の寛解」と、「日常生活にかかわるQOLの向上にどうしたらつながるのか」の理解がない
- 治療継続のモチベーションを保てず、むしろ「治療をしても薬が効かないのなら治療をしても意味がない」という考えにつながってしまう
結果、治療をやめたいと思ってしまう状況にあると考えられます。