「年齢とともに薄毛になるのでは…」と心配している男性は少なくありません。親や親戚など、身近に薄毛の人がいる場合は自分への遺伝も気になるでしょう。一方で、ストレスで髪が薄くなるといった話を聞くと、どれが原因になるのか分からなくなってしまいます。この記事では、薄毛のメカニズムと原因、対策について医師監修のもと解説します。
※記事内で扱うのは男性に起こる薄毛の話であり、女性にはあてはまりませんのでご注意ください
■まずはなぜ薄毛になるのかを知る
男性の思春期以降に多くみられる薄毛のことを医学的には「男性型脱毛症:AGA(Androgenetic Alopecia)」といいます。髪が生え始めてから抜け落ちるまでのサイクル(ヘアサイクル)が短くなって髪が細く短くなり、薄毛が進行する状態のことを指します。

ヘアサイクルに変化をもたらしているのが男性ホルモンです。ヘアサイクルを短くする男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の感受性が高い人は、AGAになる可能性が高いことが分かっています。
■薄毛(AGA)はどれくらい遺伝する?
AGAを引き起こす遺伝子は複数あり、特に重要なものはX染色体上のAR(Androgenetic Receptor;アンドロゲンレセプター)遺伝子です。
父親、父方の祖父が薄毛という場合は、自分にも薄毛が受け継がれるかもしれないと心配な人が多いでしょう。しかし、母方の祖父が薄毛であるほうが薄毛は遺伝しやすいと考えられています。
さらに母方の祖父に加えて母方の祖母の父(自分からみて母方の曾祖父)も薄毛の場合はさらに遺伝する確率が高くなるとみられていますが、いずれもあくまで確率の話であり、必ず薄毛になるとは限りません。父親の薄毛を受け継ぐこともありますので、祖父が薄毛でないから大丈夫と過信したり、逆に心配し過ぎたりしないようにしましょう。

■薄毛の原因となる生活習慣
薄毛と遺伝の関係を読んで安心した人も心配になった人もいるでしょうが、遺伝だけで薄毛になるかどうかは決まりません。薄毛に繋がる他の要因について説明します。
■薄毛予防としても生活習慣の改善は大切
薄毛の原因になり得る運動不足や食生活の乱れ、飲酒や喫煙などは、生活習慣病の原因とも一致しています。生活習慣病対策は薄毛対策にもなるので、毎日の生活の中を見直してみることから始めてみましょう。
遺伝的な要因については避けることは難しいので、AGAの進行をゆるやかにしたい場合は医療機関での治療も可能です。気になることがあれば一度AGA治療を行っている医療機関を受診してみましょう。